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現代を活きるプラス 今井民生さん

ページID:0037413 更新日:2022年9月30日更新 印刷ページ表示

今井民生さん

今井さん

インタビュー

東裏で有機栽培の酒米を生産し、上川大雪酒造に提供している今井民生さんにお話をお聞きしました。

有機栽培への道のり

​ 東裏で代々専業農家を営んでいて、私で4代目になります。18歳で就農してから40年近く、米作り一筋で取り組んできました。

10年ほど前に、田植え機に除草ができるアタッチメントがあると聞き、これを使えば農薬を使わずに除草ができるのではと思い導入。主食用米で5反ほどの少ない面積で試験的に栽培したところ、思いのほか能力が良く除草もできたので、継続的に取り組んだことが、有機栽培への第一歩でした。農薬や化学肥料を減らして育てられた農作物は「特別栽培」と呼ばれていて、様々な工夫をしながら栽培期間中に農薬を使用しない「特別栽培米」として、主食米の栽培を続けてきました。

また、当別酒米生産研究会に所属して、20年近く酒米の生産にも携わっています。当初は「初雫」という品種を、その後「彗星」に変わり、2017年から「吟風」を作っています。「吟風」に切り替えたタイミングで、酒米も農薬不使用の「特別栽培米」として生産を始めました。

そして2018年には、有機JAS認証を受けました。農薬を使わない栽培を続けてきたことから、有機JASの認証は受けやすく、今は酒米での有機栽培に取り組んでいます。

有機JAS認証…化学的に合成された肥料や農薬の使用を避け、農業生産に由来する環境の負荷を出来る限り低減した栽培管理の認証です。有機栽培と名乗るためには、作付前2年以上化学肥料や農薬を使用していない田畑で、栽培管理を適切に記録して毎年認証を受ける必要があります。

今井さん圃場

今井さんの吟風の田んぼ

吟風アップ

吟風の稲穂

ミズアオイ

今井さんの無農薬の田んぼで咲いている準絶滅危惧種のミズアオイ

​上川大雪酒造との出会い

特別栽培の酒米は稀少であると、お付き合いのある業者さんが上川大雪酒造さんと引き合わせてくれました。農薬不使用であることや酒米としての品質が良かったこと、そして上川大雪酒造さんのタイミングも合うなど、偶然が重なって2018年産の「吟風」から使ってもらうことができました。2019年産からは有機JAS認証を受けた「吟風」を提供していて、今では生産できた全量を上川大雪酒造さんに使ってもらっています。

本来、酒米だとたんぱく質の含有量が低いことが良い品質と言われていますが、有機栽培の酒米だとたんぱく質が高くても問題がないと、杜氏さんから評価をいただいています。

上川大雪

今井さんの酒米で作られた上川大雪酒造のお酒。道の駅や町内スーパーで購入可能です。

今後の目標は

現在の制度では、有機栽培の米も通常栽培された米も同じ価格で取引され、付加価値が付けづらいのが現状です。今後は、自分で酒類販売の許可を取り、有機酒米の栽培から製造されたお酒の販売までを一貫して行えるようにして、付加価値を付けていきたいです。

トンボ

圃場