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松岡宏尚さん
当別高校が取り組む「CLASSプロジェクト」の地域コーディネーターを務める松岡宏尚(ひろたか)さんにお話をお聞きしました。
大学卒業後、旭川の企業に6年間勤め、当別に戻り父の会社の松岡商事に入りました。当別に戻ってからは、商工会青年部や青年会議所で地域貢献活動に取り組みながら、色々な分野の役職も引き受けてきました。新しい分野への挑戦は大変ですが、今まで知らなかったこのまちの課題を知ることができ、新たに関わる人とのつながりから課題の解決に向けて取り組む面白さも経験できました。その中で、当別高校が、総合的な探求の時間のカリキュラムを活用して、地域と連携・協同する仕組みの実証を行う「CLASSプロジェクト」の地域コーディネーターの相談を受け、令和2年度から役に就きました。
地域コーディネーターは、地域と高校の間に入り、地域に学校を知ってもらい、学校からの要望をかなえる橋渡しの役割を担っています。当別高校は普通科、園芸デザイン科、家政科の3科がありますが、3科が一緒に活動する機会が少ないことので、まずはこのプロジェクトを通じて関わりを深めてもらいたいです。また、園芸デザイン科や家政科は授業の一環で今までも地域と関わる機会がありましたが、普通科はその機会がほとんどなかったため、総合的な探求の時間を活用して3科が連携しながら地域の課題に取り組む授業の仕組みを作りたいと考えました。
今は進学や就職の面接等で、生徒が目の前の課題を自ら見つけて解決する能力を見るため、高校でどのような学びがあったかを聞かれることが増えています。これからは総合的な探求の時間を通じて学ぶ機会が、より一層重要になります。
当別高校生とワークショップ
総合的な探求の時間の様子
全道的に多くの小中学校でコミュニティースクールが設置されていますが、高校ではあまり設置が進んでいません。地域と学校の関わりを作るためにも、「CLASSプロジェクト」で設置したコンソーシアムの形をコミュニティースクールとして引き継いでいけたらと考えています。また、町内では人手不足の業種もありますが、当別高校生向けの求人は多くありません。商工会を中心に、このアンマッチを解消するための企業説明会などの取り組みも進みつつあります。当別高校が、生徒が社会に出るためのより良い場所となるよう、バックアップ体制を整えたいです。
高校生の多感な時期は、自分探しの時期でもあり、人との関わりが重要となります。特に、自分がやりたいことを手助けしてくれた大人の影響力は甚大です。人は繋がった縁のある人のために行動するので、「CLASSプロジェクト」は、その縁を作るためのきっかけにできればと思っています。
そのためにも私自身が、人から求められる人間でありたいと考えています。自分がネガティブな時は人からは求められず、何かにチャレンジしている前向きな時の方が、様々な声がかかり繋がりが増えるので、しっかりと自分がやるべきことをやって、自分のやりたいことをやるように心がけています。
当別にゆるいコミュニティを作りたいです。現在、松岡商事で管理している商店街のヤギ小屋の建物にコワーキングスペースを作っていて、そこでは高校生も気軽に立ち寄って、地域の人と高校生がコミュニケーションを取れる場所にしたいと考えています。やりたい事がある熱量のある人や、やる気はあるけどコネがない人を、時間に余裕のある人や当別を離れているけど当別のために何かをやりたい人などがサポートすることで、人を育てる場としてのコミュニティとなり、この町の将来を考えるきっかけとなればと考えています。
準備中のコワーキングスペース
下記の当別高校のホームページでご確認ください。